一級建築士の備忘録

令和２年改正個人情報保護法では、「個人関連情報」が新設され、「cookie」等の端末識別子を通じて収集されたある個人のウェブサイトの閲覧履歴、ある個人の位置情報、ある個人の商品購買履歴・サービス利用履歴などが該当します。

さらに、これらの情報が蓄積すること等により特定の個人を識別することができる場合には、「個人関連情報」ではなく「個人情報」に該当することになります。

特定の「個人関連情報」を電子計算機を用いて検索できるように体系的に構成したもの等を事業の用に供している者を「個人関連情報取扱事業者」といいます。ただし、国や地方公共団体等は除かれるようです。

個人関連情報取扱事業者は、提供先の第三者が、個人関連情報（個人関連情報データベース等を構成するものに限る）を、識別記号等を介して提供先が保有する他の個人情報データに付加するなど、個人データとして取得することが想定されるときは、あらかじめ当該個人関連情報に係る本人の同意が得られていること等を確認しないで、当該個人関連情報を提供してはいけないことになりました。

だたし、提供先の第三者が保有する個人データと容易照合性があったとしても、提供を受けた個人関連情報を直接個人データに紐付けて利用しない場合は、「個人データとして取得する」場合には直ちに該当しないそうです。

また、個人関連情報取扱事業者は、提供先の第三者が、個人関連情報の提供を受けて個人データとして取得する主体として、本人に対して、対象となる個人関連情報を特定できるように示し、同意を取得しているか確認した上で、公人関連情報を提供しなければいけません。ただし、提供元の個人関連情報取扱事業者が、提供先の第三者と提供する情報を特定して、本人からの同意の取得を代行できるそうです。

ここで問題となるのは、個人関連情報取扱事業者から、第三者提供の同意のある個人データから個人情報を削除したデータの提供を受けた場合に、他の個人データとの容易照合性がない場合に、その取得したデータは、個人関連情報に該当するか？ということが今のところよく分かっていない点です。

ここでは、上記内容の基となる「cookieとは？」について調べてみます。

HTTP cookie（エイチティーティーピークッキー、単にクッキーとも表記される）は、マジッククッキーの一種であり、RFC 6265などで定義されたHTTPにおけるウェブサーバとウェブブラウザ間で状態を管理する通信プロトコル、またそこで用いられるウェブブラウザに保存された情報のことを指す。ユーザ識別やセッション管理を実現する目的などに利用される。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』

cookiieは、ブラウザに保存された情報。情報は、テキストファイルで保存される。

クッキーの最も代表的な用途は、ショッピングサイトにおけるカートやログイン状態の管理である。また、IPアドレスによらないクライアントの識別を可能にするため、ウェブサイト運営者やインターネット広告配信業者などがユーザの詳細なアクセス履歴を取得する用途にも使われる。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』

cookieの主な目的は、ショッピングサイトのカートやログイン状態を管理すること。

cookieのメリットは、ログイン状態の維持で、同じサイトに再訪問した際に、一時保存されているcookieがWEBサーバーに送られ、前に訪問した内容で表示されることにあります。カートに商品を入れてからサイトを離脱しても、再訪問した際に、cookieがあるおかげで、カート内の商品が保存されているので、また商品を探す手間がなくなります。

ウェブサイト作成者はクッキーを用いなくても、IPアドレス・ユーザーエージェント・ウェブビーコン・HTTPリファラなどを利用してトラッキングをすることが可能である。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』

cookieは、トラッキングのために開発されたものではない。また、サイトページを素早く再表示できるように画像などの情報を一時的に保存する「キャッシュ」という機能がありますが、「cookie」と「キャッシュ」は保存する情報が異なります。cookieには、ＩＤやパスワードなどブラウザに入力した情報が保存され、キャッシュには、閲覧したホームページの情報が保存されます。

cookieのデメリットは、ログイン状態が保存された状態で再訪問できるため、他人にパソコンやスマホを盗まれた場合に、本人になりすまして勝手に買い物ができてしまう点にあります。パソコンやスマホは、パスワードをかけてしっかりロックしておくことをおすすめします。

cookieは、過去にWEBサイトで入力したメールアドレスや電話番号などの情報も保存できます。入力フォーム画面で以前入力した内容が候補として出てくるのは、cookieに保存されているからです。

Googleアナリティクスでも一部のcookieが使用されているようです。

一部の Cookie は、サイトを訪れた人々の利用動向を把握するために使用します。たとえば Google アナリティクスは、サイトやアプリの所有者がサービスの利用動向を把握するための Google プロダクトで、Cookie を使用して個人を特定できない形で情報を収集し、ウェブサイトやアプリの使用統計情報をレポートします。Google アナリティクスが主に使用するのは「_ga」という Cookie です。「_ga」を使用すると個々のユーザーを区別できます。保持期間は 2 年です。Google サービスをはじめ、Google アナリティクスが実装されているすべてのサイトで使用されています。

出典: Google「ポリシーと規約」より